志望校を選ぶ際、学校のホームページを確認すると思います。
その際、皆さんその学校の大学合格実績をチェックしますよね。
そうだね。それは確実にチェックするよね
その時、間違いやすいのが「進学実績」と「合格実績」の違いです。
えっ!ホームページに書いてある実績っていくつもあるの!?
いやいや、進学実績と合格実績を両方載せている学校は稀(まれ)です。
私立校は、ほとんどの場合、合格実績だけを載せています。
まぁ、字を読めばボンヤリは分かるけど、その2つはどう違うの?
この記事を読んでわかること
- この記事では「合格実績」と「進学実績」の違いについて詳しく解説します
進学実績と合格実績の違い
結論から申し上げると、読んで字の如く、
進学実績
進学実績は、生徒が実際に進学した数のみをカウントした実績です。
例えば、ある生徒が東大と慶應と早稲田に合格をもらったとします。
そして東大に進学したとしたら、東大の実績にプラス1します。
慶應と早稲田の分はカウントしません。
ですから、この実績の総数は、その年の卒業人数とほぼほぼ同じになります。
合格実績
合格実績は、「延べ合格者数」のことです。
生徒が合格した数全てをカウントした実績です。
先ほどの例に照らし合わせた場合、東大、慶應、早稲田、各校の実績にプラス1ずつカウントします。
ですから、この実績の総数は、青天井です。
合格を取った分だけ増えていきます。
あ~、だから卒業人数が200名なのに実績の総数が600になったりするんだね。
そういうことです。
学校側からすれば、できるだけ良く見せたいですからね。
その辺の事を理解していない人が見ても、パッと見た時に他校に見劣りしないように合格実績をのせているケースが多いです。
なるほどね~。じゃ、実績を鵜呑みにしてはいけないわけだね。
実績も参考にならないとは......。なかなか難しいな~。
そんな時は、国立大の合格実績を見るといいですよ。
私立の場合は複数受験できますが、国立の場合は入試日程がほぼ同じ日なので併願ができません。
つまり、国立は生徒1人につき1学校受験となり、合格人数も量(かさ)を増すことができません。
「国立大の合格実績こそ、その高校の実力」と言われたりします。
だから、どの学校も東大だったり難関国立大の合格実績を増やそうと必死になるわけですね。
もちろん私立大受験より国立受験の方が数倍難しいというのもありますが。
なるほど~。
そういう風に判断すればいいんだね。
進学実績を公表している学校
いくつかの学校を見てみたけど進学実績が載ってる学校ってないね~。
載せてる学校ってあるのかな~?
ありますよ。
有名どころでいうと、
男子校の開成、私立武蔵、女子校の豊島岡は進学実績を公表しています。
武蔵に関してはメチャメチャ男らしくて、進学実績しか公表していません。
え~!合格実績は載せてないの?
そうです。
学校側からすれば合格実績を出した方が見栄えが良いに決まっています。
ある意味、非常にカッコいいですね。
今回は数校しか確認しませんでしたが、もう少しあるかもしれませんね。
受験する側からすると、合格実績、進学実績を両方を公表してもらった方が様々な分析ができるのでありがたいんですけどね。
- 進学実績が分かれば、その学校に進学した場合、どのくらいの順位にいれば希望する大学に進学できるか分かる。
- 合格実績が分かれば、その学校の何割の生徒がどのレベルの大学に進学しているかが分かる。
両方の実績を公表してくれる学校が増えることを期待したいですね。
地方と東京の環境
ここから余談になりますが、我が家の長男の事を書きたいと思います。
保護者の生の声です。
これから中学受験や内部進学などを控えているご家庭の参考になればと思います。
長男が中学3年の時、内部進学を控え3者面談がありました。
長男の学校の場合、中高一貫とはいえ中学から高校へ上がるとき面接があって他の受験生と同じようなスタイルで願書を書き面接を受けます。(高校からの入学がある学校なので)
面接と中3までの成績を考慮し高校に上がれるかどうか検討され高校に上がる段取りになります。
面接では、
- 「なぜ、ウチの高校に行きたいのか?」
という志望動機が聞かれました。
例えば、
- 「将来~になりたいから、こちらの高校へ進学したいです」
- 「将来~になりたいので、~大学を志望していて、そのために進学校であるこちらの高校に進学したいです」
というように内部進学だからといって甘えの無いように、一般入試と同じように面接が行われます。
合わせて、実際に今の段階でどこの大学を志望しているのかを答えます。
その面接を踏まえ、担任の先生からこのように告げられました。
- 「本人の希望は早慶との事でしたが現状の成績から考えると日東駒専が妥当です」
- 「早慶を目指すならば、ココだけの話、予備校を併用することをお勧めします。彼らはプロです」
まぁそうだろうなぁと。
ただ、正直なところ、予備校に行かせる余裕はないし別に早慶じゃないとダメなんてことは全くありません。
親はココまでレールを引いてあげました。
もうこれ以上はイイかなと。
もう中3と言えば自分の将来のことくらい、それなりに判断のできる年齢だし自分で考えさせたほうがいいだろうと。
僕は田舎の公立高校出身ですが、今回長男が東京の私立進学校に入って感じたことがあります。
地方の高校生からしてみたら、これは厳しい戦いだよなと。
地方の公立高校生と東京の私立高校生では環境が違いすぎます。
東京の私立高校生は周りの意識とか立地とか、様々な環境的にとても恵まれています。
正直羨ましい。
自分がこの環境だったら、もっと戦っていただろうなっと。
これだけ恵まれた環境を与えられてやらなきゃ、もうやらないと思うんですよね。たぶん。
あとは自分で考えてくれと。
この環境をどう利用するかってのは自分次第。
そうだね。
いつまで経っても自分では考えない、決められないんじゃ困ってしまうものね。
親もどこかで線引きしないとね。
そうです。
ココは親が考える所ではなく、本人の踏ん張りどころかなと感じました。
最後に(難関大学合格実績を獲得しているのは上位何%か?)
余談ついでにもう一つ。
私立の先生は結構転職してる人が多いように思います。
今回の担任の先生も私立校を何校も渡り歩いてきた方でしたので、ツッコんで聞いてみた所いろいろ話をしてくれました。
某偏差値70以上の学校の場合、
- 基本的に学校での勉強は気にしてない。
- みんな塾の勉強メイン。
- どうぞ授業は進めてください。僕たちは自分たちでこれやってますのでって感じだそうな。
某60~65くらいの準進学校の場合は、
- やはり上位10~20%くらいの生徒が上位難関校の合格実績を叩きだしていて、
- それ以下の子たちはそれぞれ、それ以下のそれなりの学校に進学している。
なんか現実を突き付けられた気がするね......
面倒見がいいと言われている学校だとしても、そんなもんだと。
教師が生徒のケツを叩くなんてできません。
だから、やはり上位10~20%の意識が高い子達は「これはどうするんですか?」と前向きに勉強するので結果手厚くなるのだそうです。
学校はどうあれ、やはり最終的に生徒本人の目標とか勉強への向き合い方次第だと。
それを高一の段階で意識させておかなくては間に合わないとのこと。
今の段階で、自分の立場とか今後の事を計算し、今やっておいた方が楽だろうと打算的にまた冷静に判断できる力があるかないかが、なんと言っても大きいと。
早熟かどうかが大きいという事です。
これは中学受験も一緒ですね。
前述したとおり、進学校とは言っても、やはり上位数十名が「素晴らしい」合格実績を叩きだしているわけです。
そういう事を聞いてしまうと合格実績は胡散臭く感じてしまいますね。
ますます進学実績の公表を希望したいですね。