この記事でも書きましたが、中学受験には二つの方向があります。
「私立中学校受験」と「公立中高一貫校受検」です。
我が家にとっての分岐点は5年生の夏休み前。6月の事でした。
当時、子供が通っていた日能研の先生には
「5~6月にはある程度志望校を絞ってそれに向けて学習していく(偏差値を上げていく)必要があります」
と言われていました。
なぜなら夏期講習があるからです。
塾としてもココを目安にしているのだと思います。
具体的な金額は忘れてしまいましたが日能研の5年生の夏期講習は8~10万円くらいだったと思います。
4年生時と比べて金額が飛躍的に跳ね上がるのです。
親はこれを見て一度立ち止まって考えます。
「う~~ん。このまま夏期講習を受けさせるべきか?」と。
真剣に中学受験をどうするか考えるのです。
そして我が家は選択しました。
「中学受験はやろう」
「ただし、私立受験ではなく公立中高一貫校を目標にしよう」
我が家に近い公立一貫校はどこか?と調べた結果、第一志望を都立桜修館中等教育学校にしました。
まぁ、結果は不合格でしたが......。
さて、前置きが長くなりましたが、今回は、公立中高一貫校にことについて少し調べていこうと思います。
中等教育学校、併設型、連携型の違いはなに?
公立中高一貫校といっても、その中で3タイプに分かれます。
1.中等教育学校
中高6年間の完全中高一貫教育校です。
基本的に高校募集はありません。
中学1,2,3年を前期課程、高校1,2,3年を中学から通しで4,5,6年と数えて後期課程としています。
高校募集がないので、私立の高校募集無し完全中高一貫校と同じです。
学校名に「中等教育学校」と付くところが多いです。
2.併設型
高校の付属中学校という形で設置されている学校です。
だから「併設型」と呼ばれています。
付属中学からの持ち上がりの生徒とは別に高校からの入学する生徒もいます。
この型の学校は元々高校があり、後付けで中学校を作った所が多いです。
学校名に「○○付属中学校」と付くところが多いです。
3.連携型
この型は全く別の高校、中学校が連携している形です。
1つの高校に対して、複数の中学校が連携しているケースが多いです。
また、入試は行わず、そのまま高校に進学するケースもあります。
子供の数が少ない地域に設置されてことが多いです。
子供の数が少ないので、○○中学と△△中学を卒業したら全員□□高校に進学するという形です。
このサイトでは中学受験をすることを前提で話をしていますので連携型の学校は違うタイプの学校ということになります。
いわゆる私立中学と同じような形態なのは1.2の学校という事になります。
受験方式が違う。私立は4科受験、公立中高一貫は適性検査
私立と公立中高一貫校では選抜方法が違います。
私立中学 = 2科受験、4科受験といった国算理社の各科目の筆記試験
公立中高一貫校 = 適性検査Ⅰ~Ⅲ(作文+4科をミックスした筆記試験)
私立中学は2科受験、4科受験といういわゆる過去に我々が高校受験などで経験してきた国算理社によるテスト形式で選抜を行います。(それだけじゃない所もありますが、ここでは「一般的に」という意味です)
対して、公立中高一貫校は「適性検査」というテスト形式で選抜します。
この適性検査というのは基本的には筆記試験なのですが私立のように教科ごとに試験を行いません。
4科をミックスさせた問題形式になります。
また、公立中高一貫の場合「受験」ではなく「受検」といいます。
例えば、我が家が第一志望とした桜修館を例にすると適性問題Ⅰは作文です。
題材の写真や詩を見て、それに関して自分の考えを600字内にまとめるといったものです。
この記事を読んでいただけると分かりやすいと思います。
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都立中高一貫校(公立中高一貫校)受検。作文・小論文のコツ
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(出典:東京都立桜修館中等教育学校H27年度適性検査問題より)
適性検査Ⅱはいわゆる筆記問題です。
先に書いたように国算理社4科がミックスされたような問題が出されます。
これがまた難しいのです。
これ小学生が解く問題か?ってくらい難解です。
(出典:東京都立桜修館中等教育学校 適性検査問題より)
Ⅰに関しては自分の考えを正しく表現できるかどうかが試されます。
ポイント
1)問題の意図を正しく読み取る力
2)それを踏まえ自分の経験を引き出したり、自分の意見と比較して正しく伝える力
3)最終的に何を言いたいのかをまとめて論理的に主張する力
Ⅱに関しては単純な計算問題や知識問題などはほとんど出ません。
表や問題文の条件を読んで答えを導くといった情報整理能力が必要になります。
まぁ、説明しても伝わらないと思うので前述のURLから過去問を見て頂いた方が早いと思います。
まぁ、難解ですよ。ホントに。脳が捻じれるくらい。
よくもまぁ、小学生にこんな問題だすなぁって思います。
適性検査の勉強方法が分からない。我が子が陥った悪循環。そして転塾。
上の問題を見て頂けばお分かり頂けると思いますが、一筋縄ではいかない問題が並んでいます。
「私立の難関校の問題より難しい」とかそういう事を言いたいわけではありません。
適性検査の問題は「私立の問題とは別物」という事がいいたいのです。
作文はフワッとした問題で、それに対して手探りで作文しなくてはなりませんし(特に桜修館は)、適性検査Ⅱは文章をしっかり読みとり、何段階かの計算をして答えなくてはなりません。
つか、桜修館の問題、ほとんど算数です。
理社の勉強をする意味あるのか?と思うくらいです。
ともかく私立向けの勉強をしていても、どうもしっくりこないのです。
「このまま勉強すればイケる」という感じが全くないんです。
応用力のある親子であれば理論的に対策を立てるのでしょうが、我が家には正直無理でした。
当時通っていた日能研は、どちらかと言えば私学対応の塾です。
我が子も4科の勉強をしていました。
しかも、日能研の授業に我が子が全く付いていけていないことにこの段階(5年生の夏休み前)で初めて気づきました。
もう気づいた時には既に「分からないことも分からない」といった状況でした。
日能研は私たちが大学受験のために通っていた予備校のような授業のスタイルです。
大人数クラスで先生が講義を進めていきます。バンバン進んでいきます。
生徒はそれに付いていけるように必死で家庭学習を進めていきます。
先生方もココを必ずやりなさいとは言いません(我が子の通っていた教室は言いませんでした)。
自分から率先して進めるのです。
当然のことですがヤル気のある子は自ら進めていきますのでグングン伸びるのです。
ところが我が子は、もう何をやってるのかも分からない。
分からないから宿題もしたくない。
宿題も強制されないのでそのままになる。本気でやらない。
一応、親向けに「やってる風」を装っているが実際は全然分かっていない。「やればいい」状態。答えが合っていようが間違っていようが関係ない。答えを書くだけ。
この悪循環に陥っていました。
こうなってしまうとどうしようもないですね......。
・公立中高一貫校を目指すと決めたこと。
・本人が悪循環に陥っていたこと。
いろいろやってくれた日能研には申し訳ないですが、これはテコ入れが必要だろうと考え転塾することに決めたのです。
転塾先は栄光ゼミナール。
小学5年の7月初めの事でした。
なぜ、栄光ゼミナールにしたのか?はまた別記事で。
最後に
今回は公立中高一貫校の事についてまとめてみました。
ポイント・私立の中高一貫校と同じように中高一貫教育を軸にしている。
・学費は地元の公立中学校、高校と変わらない。
・選抜試験は私立の2科、4科試験と違い、適性検査という独自の選抜方法。
私立のように6年間一貫教育で、学費は一般的な公立中高と変わらない。
非常に魅力的なので人気も高く、試験倍率も非常に高いです。
受験勉強をどう進めるかというのはポイントになります。
今は、enaや栄光ゼミナールのように公立中高一貫校受検コースを設置している塾も増えていますので一度相談してみるとイイと思います。