「大学通信ONLINE」にて、塾が勧める「ICT教育に力を入れている中高一貫校ランキング」が発表されました。
ICTとは「Infomation and Communication Technology(情報通信技術)」のことで、ICT教育は、パソコンやタブレット、インターネットを活用した教育のことです。
今は、公立小学校でもタブレットが生徒一人ひとりに配られ、学校の授業や宿題、連絡帳としても活用されています。
まさしく、これからの教育現場では必須といえます。
中高一貫校の中でも、ICT教育に力を入れている学校が多いです。
この記事では、日々教育に携わっている塾の塾長・教室長の選んだ「ICT教育に力を入れている中高一貫校」のランキング上位10校の詳細を解説していきます。
この記事の執筆者
✓20代男性
✓某進学塾の室長
✓現在は、受験生向けの情報発信やコンテンツ制作を行い、受験生と保護者をサポートしています。
もくじ
ICT教育に力を入れている中高一貫校ランキング10校
塾の塾長、教室長の選んだ学校は以下のとおりです。
学校名 | 所在地 | 男・女・共 | 日能研R偏差値 |
---|---|---|---|
広尾学園 | 東京 | 共学 | 65 |
芝浦工業大柏 | 千葉 | 共学 | 56 |
開智未来 | 埼玉 | 共学 | 37 |
工学院大付 | 東京 | 共学 | 40 |
桜丘 | 東京 | 共学 | 39 |
駒込 | 東京 | 共学 | 40 |
市川 | 千葉 | 共学 | 64 |
八千代松陰 | 千葉 | 共学 | 39 |
千葉明徳 | 千葉 | 共学 | 37 |
本郷 | 東京 | 男子 | 60 |
各校の詳細を解説していきます。
広尾学園中学校・高等学校
所在地 | 東京都港区南麻布5-1-14 |
日能研R4偏差値 | 65 |
URL | https://www.hiroogakuen.ed.jp/ |
概要 | 広尾学園は、10年前から最先端のICT教育や その他教育の高度化を実現するための カリキュラム作成に力を入れている進学校です。 特に国際教育とキャリア教育に力を入れており、 特に国際教育については、インターナショナルクラスを 高校だけではなく中学にも導入しています。 |
広尾学園のICT教育では、生徒それぞれにiPadを導入して授業・資料作成や発表する習慣を身につけられているだけではなく、確実に大学合格者数の増加も引き起こしている点でも効果を発揮しています。
本科コースではiPad、医療サイエンスコースではChromebook、インターナショナルコースではMacBookを配布しており、効率良く学習を進められるように徹底しています。
教員の負担が軽減され、生徒のICTに対するリテラシーも向上する広尾学園のICT教育はこれからもどんどん成長していくだろうと私は考えています。
将来第一線で活躍する人材になって欲しいと思う方には、広尾学園はとても魅力的な選択です。
芝浦工業大学柏中学高等学校
所在地 | 千葉県柏市増尾700 |
日能研R4偏差値 | 56 |
URL | https://www.ka.shibaura-it.ac.jp/ |
概要 | 千葉県にある私立の中高一貫校。 「創造性の開発と個性の発揮」という建学の精神のもと、 広く社会に貢献する有用な人間を育成するための 教育を日々実践しています。 ICT教育はもちろんのこと、キャリア教育・サイエンス教育 ・グローバル教育にも力を入れている点が特徴的です。 特にサイエンス教育では、芝浦サイエンスを取り入れた レベルの高い教育が実施されています。 |
理系分野の研究に強い芝浦工業大学の付属校である芝浦工業大柏は、生徒一人ひとりが文房具の1つとしてChromebookを購入し、学校のあらゆる場面で日常的に活用しています。
主に「Google Workspace for Education」の利用をした授業が行われていますが、より効果的な生徒同士の協働学習を実現するために「school Takt」というサービスも導入されています。このアプリでは、リアルタイムで生徒同士が考えていることを共有したり、それに対してコメントを残せる機能が搭載されているので、自主的でかつ意欲の高い学びをつづけられるようになっています。
ICTに対するリテラシーの向上だけではなく、従来の教育スタイルよりもさらにレベルアップした学びをして欲しいと思う方に、芝浦工業大柏はおすすめの選択肢です。
開智未来中学校・高等学校
所在地 | 埼玉県加須市麦倉1238 |
日能研R4偏差値 | 37 |
URL | https://www.kaichimirai.ed.jp/ |
概要 | 埼玉県にある私立の中高一貫校。 中学校からの入学者を中高一貫部に、高校からの入学者を高等部に分けており、 中高一貫と高校入学組が同じクラスになることはない。 部活や学校行事などは一緒に行われている。 |
開智未来は2011年創立の比較的新しい学校ですが、創立当初からICT教育に力を入れてきています。
1人1台のタブレットが支給されているのはもちろんのこと、学校のPCも最新のものを使用し、1人2台のディスプレイを用いて効率的に学びを深められるような設備を整えています。
数年前、緊急事態宣言が最初に発表された直後から、スムーズにオンライン授業へと移行できていたという事実からも、開智未来のICT教育のレベルの高さがうかがえるでしょう。
学校としては、ICT教育を活用したさらなる非認知能力(意欲、協調性、粘り強さのような数値化できない個人の能力)の拡大などを中心とし、さらなる質の向上を目指しているようですね。
工学院大学付属中学校・高等学校
所在地 | 東京都八王子市中野町2647‒2 |
日能研R4偏差値 | 40 |
URL | https://www.js.kogakuin.ac.jp/ |
概要 | 東京都にある私立の中高一貫校。 工学院大付は、他の学校では実現できないような K-STEAMと呼ばれる教育の柱を立て、 日々グローバル化した世界で活躍できる人材の育成を実施しています。 中学校からレベルの高い学習を実施する先進クラスだけではなく、 英語教育に特に力を入れたインターナショナルコースも 開設されている点が特徴的です。 |
工学院大付は、2021年に大学通信オンラインが発表した「学習塾が勧める中高一貫校ランキング」にて、ICT教育に力を入れている中高一貫校として第1位に選ばれたことがあることからも、高いレベルのICT教育を実践していることがわかる学校です。
「Microsoft Showcase School 2023-2024」にも選出されており、世界的に見ても、工学院大付のICT教育のレベルの高さがわかります。
一人ひとりにiPadを支給する体制は2015年から始まっており、2018年からは一人ひとりのPCも活用した教育が始まっています。
唐突なオンライン授業が必要になる事態はいつやってくるかわかりません。
そのような事態になったとしても、学びが止まって欲しくないと思う方には、工学院大付はおすすめですよ。
桜丘中学・高等学校
所在地 | 東京都北区滝野川1-51-12 |
日能研R4偏差値 | 39 |
URL | https://sakuragaoka.ac.jp/ |
概要 | 東京都にある私立の中高一貫校。 「誰も知らない未来を創れるヒトに。」という教育目標を掲げている桜丘では、 自分らしく前向きに歩んで行ける人間の育成をするための教育が行われています。 中学生の段階からプレゼンテーションをする機会を定期的に設けており、 自分の意見をわかりやすく大勢の人に向けて発信する癖が身につく点は魅力的です。 |
桜丘でも、一人ひとりにiPadを支給し、時代が変化しても揺るがない柔軟な思考力を養うための先進的なICT教育を実践しています。
新しいものを世の中に創り出す力が必要になってくる現代社会において、何かに興味が沸いた時にそれをすぐに深められるようなデバイスの存在が、生徒たちの興味関心を削ぐことなく深めることに寄与しています。
桜丘では、日々の勉強だけではなく、部活動にもタブレット端末を取り入れています。
各部活がそれぞれ効果的なアプリを使用し、限られた環境の中でも最大限の結果を残すために、日々努力しています。
また、SNSリテラシーに関する講習も実施されており、社会に出る前に情報を発信することの責任や危険性について学ぶことができます。
駒込中学校・高等学校
所在地 | 東京都文京区千駄木5-6-25 |
日能研R4偏差値 | 40 |
URL | https://www.komagome.ed.jp/ |
概要 | 東京都にある私立の中高一貫校。 日本の代表的なSTEAM教育研究機関である 埼玉大学STEM教育研究センターとの 共同授業を行っている。 |
駒込では、主体的な学びを推進するために、ICT教育が導入されています。
ICTを教育に導入することは、電子黒板とタブレットの連動のように、授業の理解度が深まるだけではなく、自主的に学習するアクティブラーニングをより効率的に実践できるようにするためにも大きな役割をはたします。
また、中高一貫生全員と、高校生の希望者はスタディサプリも使えるようになっています。
学校にいない時でも、レベルの高い学習ができるように、桜丘ではこのような環境の整備が進められているのは魅力的です。
また、問題の正誤状況は教員が把握できるようになっているため、徹底した学習指導が実現しています。
市川中学校・高等学校
所在地 | 千葉県市川市本北方2-38-1 |
日能研R4偏差値 | 64 |
URL | https://www.ichigaku.ac.jp/ |
概要 | 「独自無双の人間観」「よく見れば精神」「第三教育」の3本を柱として、 生徒それぞれの個人を育て上げることを大切にした教育を実践している学校。 市川では中学と高校で2段階にカリキュラムを分けており、 一貫教育ならではのゆとりがありつつスピード感もある学習指導が特徴的です。 |
千葉県屈指の進学校として知られている市川でも、もちろんレベルの高いICT教育が導入されています。
市川には2016年に新設された「ALICEマルチルーム」と呼ばれる教室があり、2つのプロジェクターと42台のタブレット端末が設置されており、生徒が授業中に活用できるようになっています。生徒は主体的に授業に取り組んでおり、熱気にも溢れています。
市川の創立当初から続いているレベルの高い教育はもちろんのこと、さらにICT教育が掛け合わさることで、現在でも東京一工に50人近い合格者を輩出しているのではないかと考えています。
八千代松陰中学校
所在地 | 千葉県八千代市村上727 |
日能研R4偏差値 | 39 |
URL | https://www.yachiyoshoin.ac.jp/ |
概要 | 「さわやかな印象」「はつらつとした行動」「ひたむきな姿勢」の3点を スクールカラーとして、一人ひとりの魅力を伸ばす教育を行っている学校。 大学進学を目標としている「進学コース」、 国際社会で活躍する教養人を育成する「IGSコース」、 数学英語の教育に特に力を入れている「AEMコース」の3コースに分かれており、 自分の実現したい姿になるための教育が受けられます。 |
八千代松蔭は、生徒全員にChromebookを配布したICT教育を行っています。
従来の教育では全員が実現できなかった「わかる授業」「考える教育」を展開することによって、生徒一人ひとりの個性や得意を伸ばすことを目指しています。
八千代松蔭でもスタディサプリが導入されており、生徒が授業外でも自分の苦手を克服できるような環境が整えられています。
また、基本的には「Google Workspace for Education」を利用しているため、ドキュメント作成・表計算・スライド作成の能力も身につけられるような環境・機会も整っています。
これらの能力は大学受験等には直接関係しませんが、社会に出てから必須の能力なので、中高生のうちから身につけられるのはとても魅力的です。
千葉明徳中学校
所在地 | 千葉県千葉市中央区南生実町1412 |
日能研R4偏差値 | 37 |
URL | https://edu.chibameitoku.ac.jp/junior/ |
概要 | 千葉県にある私立の中高一貫校。 千葉明徳は高い知識と見識のもとで、独自の主張や判断力を持ち、 行動に移していける人「行動する哲人」を 育て上げるための教育を行っています。 高校では、中高一貫校の学校としては珍しく 「復習を重視した学習習慣の定着」を大切にしています。 中高一貫では先取り教育をしている学校が多いですが、 復習を大切にすることは「勉強が嫌いにならない」という観点から、 とても良い取り組みです。 |
千葉明徳では、日常のあらゆる場面にiPadを取り入れる形で、ICT教育が導入されています。
iPadは複数人での共同学習でも、個人学習でも大活躍してくれるので、ある場合とない場合では、生徒の可能性の広がり方に大きな違いがあります。
「Google Workspace for Education」や「ロイロノート・スクール」「スタディサプリ」などの各種学習支援サービスを利用して、生徒の学力アップに貢献しているのはもちろんのこと、上級生による学校紹介ムービーや文化祭のCM作成など、各教科の学習から離れたクリエイティブな活動にも利用されています。
これらの能力は、早めに身につけておくことで、社会に出てから活躍の幅が広がりやすくなります。早いうちからクリエイティブさを身に付けて社会で活躍して欲しいと願う方にはおすすめの学校ですよ。
本郷中学校・高等学校
所在地 | 東京都豊島区駒込4-11-1 |
日能研R4偏差値 | 60 |
URL | https://www.hongo.ed.jp/ |
概要 | 「文武両道」「自学自習」という教育方針の他にも 「生活習慣の確立」の3本の柱で次世代のリーダーとして 相応しい逞しい男子を育成するための教育を日々実践しています。 本郷では徹底した6年一貫教育を実施しており、 夢をあきらめないたくましさと、 揺るぎない自信をつけられます。 |
東京都内でも屈指の進学校として高い人気を誇る本郷では、教職員が一丸となってICT教育改革に力を入れています。
生徒全員にChromebookの配布をしていることはもちろんのこと、教員が使用するノートPCも軽くて使いやすいものを採用することで、より快適に授業ができるように整えられています。
予習や復習がしやすくなって学習全体の効率が良くなったのはもちろんのこと、文化祭での受験生に向けた過去問解説動画や、卒業論文発表会のアーカイブ配信など、生徒が主体的に動いてICTを活用した取り組みを行っている例もあります。
また、本郷の教員方は「紙の教科書を電子教科書に変える動きが必要」と考えているようで、これからより本郷のICT教育の改革が進んでいくことに期待が膨らみますね。
最後に
今回は、ICT教育に力を入れている中高一貫校を10校紹介しました。
現在、多くの私立中高一貫校を中心に、ICT教育の導入が進んできています。
その一方で、公立学校だとまだ予算などの問題でICT教育の導入が進んでおらず、教育の差は開いています。
そのような状況の中だからこそ、少しでもICT教育に力を入れている学校に進学し、日々勉学に努めることで、他の同級生たちに差を広げられるようになります。
ICT教育が気になる!という方は、ぜひ今回の記事を参考に、どんな学校がどんなICT教育を導入しているのか、調べてみてください。